伝統の建具「簾戸(すど)」で変わる夏の暮らし

伝統の建具「簾戸(すど)」で変わる夏の暮らし


簾戸(すど)って何?

簾戸とは、文字通り簾(すだれ)が付いた戸のこと。日本で伝統的に使われてきた建具のひとつです。視線を遮り、部屋を区切る機能と、風を通す機能を備えた簾戸は、蒸し暑い日本の夏に適した、非常に合理的な建具。その涼しげな見た目で、風が吹いていなくても体感温度を下げるのだとか。今回はその簾戸を看板商品とする新発田市の高橋建具製作所にてお話をうかがいました。

県外からの発注が90%を超える建具

建具店は一般的には地元工務店や住宅会社からの発注を受けて、建具や家具を製作するところです。そのため、直接お客さんと接することが少ない仕事と言えます。しかし、高橋建具製作所では直接お客さんからの発注を受けることが多く、しかも取引相手の90%以上が首都圏をはじめとした県外の個人や工務店なのだそうです。「十数年前、県内での住宅の需要が下がっていった時に、東京で行われた展示会に簾戸を出したところ、反響がありました。その後も継続的に東京や横浜の展示会に出展することで、お客さんと出会える場をつくっています」と話すのは高橋建具製作所の代表・高橋孝一さん。では、簾戸という建具の中でもニッチなこの製品をどんな人が欲しがるのでしょうか?「実はマンションに住まわれている方からの発注が5割以上なんです。暮らしや物に対して、とても思い入れのある方ばかりです。」と高橋さん。

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高橋社長(右)と広報を担当する五十嵐さん(左)。

職人技が生み出す簾戸の魅力とは?

建具職人が手作りする、一枚数万円以上もする簾戸。一度購入して満足したお客さんから、「別の箇所にも欲しい」と再び発注を受けることも少なくないそう。「作業場を見学したいと、わざわざ東京や関西から訪れるお客さんもいらっしゃいます」とうれしそうに話す高橋さん。ただモノを買うという行為とは違う、生産者との繋がりをも求めていることがうかがえます。実際にマンションにおいても、簾戸が入ることで空間の雰囲気ががらりと変わるのだとか。通風を確保することで、空気の流れをつくり出すことや、自然素材の優しさがもたらす影響は実に大きいのでしょう。マンションの高層階に住む方が「簾戸越しに見る夜景がとてもきれいで…」と、うれしい感想を聞かせてくれるのだそうです。

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近江ヨシを使った簾戸。下部の板に彫られた鮎も涼しさを感じさせる。(写真提供:高橋建具製作所)

そして、丁寧につくられた簾戸は100年以上も持つとか。簾も木枠も年月を重ねることで飴色へと変化し、味わいを増していきます。また、高額な製品ゆえ、品質検査は何重にも徹底して行うそう。信用を第一に考え、まじめに丁寧に手作りされる簾戸。簡単に簾部分を障子に変えることができる、機能的で遊び心ある製品もあります。

簾戸が使われ始めるのは5月頃から。まだまだ寒い日が続きますが、今から快適な夏を迎えるために簾戸の計画を練ってみてはいかがでしょうか?

簾戸に関する詳しい情報は高橋建具製作所のホームページをご覧ください。

 

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簾部分を簡単に取り外して、障子と交換が出来る製品。

 

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狂いのない丁寧な仕事で、格子がきれいにはめられる。

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ほぞ組になっているので、傷んだ部材を補修して長く使うことが可能。

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建具の素材となる板。これらを加工して建具に仕上げていく。

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「万能機」を使って部材の厚さを整えていく作業。


取材協力:高橋建具製作所

(ハウジングこまち編集部 鈴木)

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