中古住宅に安心を。適合R住宅&安心R住宅とは!?

中古住宅に安心を。適合R住宅&安心R住宅とは!?


2013年の統計によると、日本全国の空き家率は13.5%。これは今後もどんどん増え続け、2030年には空き家率が30%に上るという予測もあります。

もちろん地域差がありますが、12年後には住んでいる家のどちらかの隣が空き家になっているかもしれないと想像すると、ただ事ではないように思えます。

そこで近年は、既存住宅の活用を積極的に行う「ストック型社会への転換」が叫ばれていますが、中古住宅の流通が活性化しているかというと、そうでもありません。

その障壁となっているのが、中古住宅の情報不足。自動車などの工業製品と異なり、住宅は多くの工程が現場で行われるもの。

そして、家により形も大きさもさまざまです。何十年も経った住宅は、図面や仕様などの建築の履歴が残っていないものも多くあります。

そんな特性があるため、「世の中に出回っている中古住宅は、果たして安心できるものなのだろうか…?」「今流行っているリノベーションで解決できるのだろうか…?」という不安が付いて回り、結果的に「ストック型社会への転換」がそれほど進んでいないというのが実情です。

そんな中、そのような課題を解決するために、リノベーションの品質基準を定め、優良なリノベーション住宅を普及し広めていこうとしている団体があります。

国土交通大臣登録のリフォーム事業者団体、一般社団法人 リノベーション住宅推進協議会(通称“リノ協”)です。

2009年に発足した当協議会は現在全国で展開をしており、新潟エリアは2016年に発足。

今回、2月20日に新潟市内で行われたリノ協の説明会に参加してきましたので、どんな取り組みを行っているのか紹介したいと思います。

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リノベーション住宅推進協議会の説明会風景。新潟県内各地のビルダー担当者が参加。

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リノベーション住宅推進協議会 信越北陸エリア事務局理事を務める株式会社たかだ代表・高田政俊さんの挨拶。

 

普通のリノベーションではなく、優良なリノベーションを

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第1部はリノ協の概要や取り組みの説明からスタート。リノ協本部事務局の岩本忠健さんのプレゼンテーション。

老朽化していたり、設備の陳腐化が進んでしまった既存の中古住宅を、安心して快適に暮らせる状態にするにはリノベーションが必要となります。

しかし、リノベーションやリフォームにはこれまで基準が設けられていなかったため、「リフォームやリノベーションをしたから安心…!」という訳にはいかないのが実情です。

そこで、リノ協では、「リフォーム」「リノベーション」「優良なリノベーション」の3つに分けて、それぞれの定義をしています。

まず「リフォーム」は「原状回復のための修繕であり、営繕不具合箇所の部分的な対処」としています。

次に「リノベーション」。こちらは「機能、価値の再生のための改修。その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修」としています。

最後に「優良なリノベーション」。これがリノ協が提案するリノベーションで、「統一基準に基づき、『検査→工事→報告→保証→住宅履歴情報』のフローに則ったリノベーション」としています。

リノベーションという言葉の響きから、ハイセンスなデザインの工事をイメージすることが多いですが、実はリノ協が最重視しているのは見た目のデザインではなく、「安心」の方なのだそう。

リノ協のホームページを見るとセンスのいいリノベーション実例が数多く掲載されていますが、見えないところでの住宅の「重要インフラ」の安心がしっかりと担保されているということです。

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リフォーム・リノベーション・優良なリノベーションのそれぞれの範囲を示した図

 

リノ協が定める統一規格と適合リノベーション住宅

その安心と保証を担保してくれる「優良なリノベーション」の統一規格を示したのが下図です。

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画像提供:リノベーション住宅推進協議会

プランを書いて、工事をして、完了したら引き渡して終了…。ではなく、品質確保をしっかりするために、きちんとした検査に始まり、工事を経て、保証を付け、将来のための履歴も残す…というシステムが確立されています。

例えばマンションの一室のリノベーションの場合は、給水配管やガス配管、電気配線、換気設備、床下地、浴室防水など13の検査項目があり、それぞれの検査基準をクリアしていることが必要になります。

そのようにしてリノ協が定める品質基準をクリアした住宅を、リノ協では「適合リノベーション住宅」と定義しています。

その基準に適合したリノベーションを住宅の種類に合わせて、「R1住宅」「R3住宅」「R5住宅」と3種類の定義を行っています。

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画像提供:リノベーション住宅推進協議会

これまで、リノベーション工事を依頼することや、リノベーション済みの中古物件を購入することに不安を感じていた多くの人にとっては、「R1」「R3」「R5」のマークが安心感を担保してくれるものになります。また、リノ協が定めるそれらの適合リノベーションができるのは、リノ協加盟のビルダーのみ。
ちなみに新潟県の会員ビルダーはこちらで見られますが、2018/3/1現在47社が見つかります。

 

国土交通省認定の「安心R住宅」制度も始まる

ここまではリノ協独自の「適合R住宅」について説明をしてきましたが、2018年4月1日から新たに国土交通省による「安心R住宅」という制度がスタートします。

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画像:国土交通省HPより

目的は適合R住宅と同様に、中古住宅の不安を払拭し不動産流通を活性化させることにありますが、適合R住宅との違いとしては「汚いイメージの払拭」という項目があることが挙げられます。

それぞれ異なる基準が設けられていますが、適合R住宅と安心R住宅の2つの認証を得ることもできるので、私たち生活者としては物件購入時やリノベーション時にさらなる安心感を得ることができるようになります。

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後半の第2部では、リノ協本部事務局の武部裕之さんが適合R住宅と安心R住宅について詳しく解説。

 

リフォームローンもお得になる

ここまではリノベーション住宅の適合基準の話をしてきましたが、一定基準をクリアした性能向上リフォームを行った場合にローン金利を優遇される制度が2018年4月から拡充します。

全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】よりも金利が安くなる【フラット35】リノベは、一定基準をクリアした性能向上リフォームを行った場合には【フラット35】よりも一定期間0.5%金利が安くなるローン商品でしたが、2018年4月1日以降申込み分については、0.6%金利が安くなります。わずか0.1%の違いですが、3,000万円の借り入れをした場合は、1年目で3万円近くお得になります。

その差額で、例えばバルミューダのトースターが手に入ると考えると、決して少なくない金額と言えるかもしれませんね。

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そして、この会の最後には「リノベーションによる住宅ストック維持・向上促進協議会in新潟(通称リノin新潟)」が取り組んでいる「空家等を価値のある良質住宅に変えるプロジェクト」の2017年度の報告がありました。こちらは国が取り組んでいる「住宅ストック維持・向上促進事業」の新潟県での取り組みです。

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リノin新潟は、リノ協とはまた別の団体として活動を行っており、10年後の消費者ニーズを勘案したリノベーションを行う事で10年後でも購入者を見つけやすい住宅の資産価値の適正評価と、賃貸物件として入居が見込まれる事で、住宅の資産価値を鑑定又は査定可能となる仕組みを構築する活動を行っています。
また、周知活動として県民向けのセミナー、リフォーム業界イベントでの国の事業の紹介、将来の建築不動産業界を担う学生を対象としたセミナーを実施しています。

 

近年、ニュースなどで空き家問題が取り上げられることが増え、リノベーションによる課題解決も注目を集めています。

しかしながら、普通の生活者にとって不安が少なくない中古住宅&リノベーション。

仕組みが整い始めているこれから、よりよい中古住宅&リノベーションの選択肢が広がっていきそうです。

取材協力:
一般社団法人 リノベーション住宅推進協議会

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