食事はダイニングテーブルでとり、くつろぐときはリビングのソファーで。そんな椅子を使った生活が一般的になってきており、お茶の間で座卓を囲むスタイルは少数派になりつつあります。
しかし、「それでもやっぱり畳のスペースは欲しい」というのが家を建てる人に多く見られる心理です。
その中でも人気が高いのが腰を掛けるのにちょうどいい高さの「小上がり」です。3畳~4.5畳程度の広さが一般的で、LDKの一角に設けられることが多い小上がり。
ちょっと横になったり、子どもを寝かせたり遊ばせたり、畳の下に引き出し収納を設けられるというメリットも。
また、床板部分よりも高い位置にあることで清潔に感じられるのも小上がりの特徴。スリッパを履いたまま畳に上がる日本人がいないように、日本人に染みついた畳に対する感覚にも小上がりは合っているのかもしれませんね。
では、そんな小上がりを設けた5つの住まいから、どんな使い方ができるのかを見ていきましょう。
1.仏間として、子ども達の遊び場として活用
(新潟市E邸/株式会社 アンドクリエイト)
LDKの横に設けた小上がりは仏間を兼ねた場所。建て替え前の家の床柱を再利用するなど、旧居の名残を感じさせます。また、天井にブランコを吊り下げているので、雨の日でも思う存分に子どもたちが遊べます。小上がりがおもちゃスペースになっているのでその分LDKがすっきり保てます。
2.ちゃぶ台が似合う小空間
(新発田市H邸/オークハウジング 樫内建設 株式会社)
ダイニングの隣に設けた4.5畳の小上がりは、ちゃぶ台が置かれた和み空間。腰を掛けたり寝転がったりするのに最適な場所なのだそう。引き込み式の建具が戸袋に収められているので、仕切って使うこともできます。
3.お休み前のリラックススペースとして
(新潟市S邸/株式会社 熊木建築事務所)
こちらは2階の寝室に隣接した3畳程の小上がり。アンティーク家具や雑貨が品良く並べられた小さな空間は、その小ささ故に落ち着ける空間となっています。就寝前にテレビを見たりと、くつろいだ時間を過ごす場所になっているそうです。
4.キッチンに繋がる隠し動線付き小上がり
(新潟市K邸/株式会社 二村建築)
肌触りが心地いい杉板のリビングに面した4.5畳の小上がり。真壁造りの和室は伝統的な趣にあふれています。スキップフロアで少し下がった場所にあるキッチンと繋がる秘密の引き戸が設けられており、遊び心ある設計に子どもたちも大満足なのだとか。
5.ダークトーンで籠り感のある空間
(新潟市N邸/オフィスHanako 株式会社)
ソファーが置かれたリビングの横に設けられた小上がり。天井のクロスをダークトーンにすることで、籠り感のある落ち着いた空間になっています。アールのついた下がり壁など伝統的な和の要素を取り入れつつ、モダンにアレンジしています。
どのお宅の小上がりも「落ち着く」という表現がぴったりあてはまるように思います。程よい狭さに多くの人が心引かれるのかもしれませんね。
また、余計な物を削ぎ落とした茶室に通じる精神が小上がりにはあるのかもしれません。
ただの和室や畳スペースとは一線を引く小上がり。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
実例引用元:「ハウジングこまちVol.24」(販売期間は2017年6月25日~12月22日頃)
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