【Case10】
UA値0.17×C値0.13×耐震等級3平穏な時間が流れる終の棲家
「職人の手仕事が好き」というご主人が依頼したのは、墨付け・手刻みで構造材を加工する、伝統的な大工技術を持つ工務店。「棟梁の渡辺さんから断熱の重要性を聞き、暖かい家にしてくれるというのも楽しみでした」(ご主人)。
ユニークなのが建物の正面に立つ高さ2・5mのコンクリート塀。
その内側には、深い庇に守られたウッドデッキがあり、庭木を眺めながらくつろいだ時間を楽しめる。
「ダイニングチェアやソファによく腰掛け、ぼーっと庭を眺めています。夜は木がライトアップされて、旅館にいるような気持ちになりますね」(ご主人)。
UA値は0・17で、HEAT20G3基準を軽々クリア。それに加え、南側の大開口の上にある2m超の庇が日差しを遮るため、夏場の冷房負荷を抑えられる。
丁寧な気密施工により、相当隙間面積を表すC値はわずか0・13。高い気密性能と熱交換型の第1種換気システムが相まって、換気時の熱損失も効率よく抑えられる。
「冷房がどの部屋にも行き渡り、とても涼しく過ごせました。11月に入り寒い日が増えてきましたが、暖房の利きも良くて家の中は温度が常に一定。脱衣所もお風呂も暖かくてありがたいですね」(奥様)。
階段の上り下りがない平屋の暮らしも快適だという。「家のどこに行くのも楽ですし、掃除もすぐに終わります」(ご主人)。外からの視線を遮り、快適な温熱環境で暮らせる安心の住まい。ここでは時間がゆっくりと流れていく。
DATA
延床面積/112.58m²(34.05坪)
1F 112.58m²(34.05坪)
家族構成/夫婦+子ども2人
竣工/2023年8月
構造/木造軸組工法
設計・施工/有限会社 匠-TAKUMI
有限会社匠-TAKUMI-
www.takumi-123.com
TEL/025-555-7778
営業時間/8時~18時
定休日/日曜日
【Case11】
鳩時計のようなファサードがかわいい狭小地で叶えた延床面積19坪の家
「以前ここに立っていた家は築50年。冬はまるで外にいるような寒さで、毎年冬がくるのが怖かったです」と奥様。快適に暮らせる家に建て替えることを決めた。
「ただ、この土地は28坪しかない不整形地。普通の家は建たないと思い、狭小住宅を得意とする設計事務所さんを訪ねました。完成見学会に行ってみたら、延床面積20坪未満でも広く感じることに驚きましたね」。
そんな狭小住宅を得意とする建築士と一緒につくり上げたのは、延床面積19坪の家。UA値0・31の高断熱住宅でもある。しかし、建築士が着目しているのはUA値ではなく家の光熱費。Y邸では月平均1・67万円という光熱費を先にシミュレーションで算出し、そこから逆算して適切な断熱の仕様を導き出している。
小さい家でありながら狭さを感じさせないのがY邸の内部空間の特長。限られた面積を有効活用するため、1階の畳スペースを寝室兼脱衣室にするなど、固定観念にとらわれない間取りの工夫が随所に見られる。
トイレ以外の個室がない2階は小屋組を現した高天井の空間。視線が抜ける東側にメインの窓を設けて開放感をつくり出しているのもポイントだ。
小さく開放的なつくりのため、ダクトを使うことなく全館冷暖房も実現できている。「前の家より小さいのにとても広く感じます。真夏でも室内に入った瞬間から快適でしたし、家のどこにいても居心地がいいですね」(ご主人)。
DATA
延床面積/62.93m²(19.00坪)
1F 29.81m²(9.00坪)
2F 33.12m²(10.00坪)
家族構成/夫婦
竣工/2023年4月
構造/木造軸組工法
ネイティブディメンションズ一級建築事務所
www.nativedimensions.link/
新潟市東区小金台7-25
営業時間/8時〜17時
定 休 日/日・月曜、祝日
【Case11】
UA値0.25×C値0.15のハイスペック空気の流れも計算された、冬の寒さを忘れる住まい
建て替え前の家は築50年。寒いなんてもんじゃない。
窓の隙間から雪は入るし、トイレの水が凍ることもありました」とご主人。そんな経験から、HEAT20G2グレードの家づくりを行っている工務店に建て替えを依頼した。
断熱の知識を本で学んだ上で「なるべく小さく、でも狭さを感じさせない家にしたい」と考えたご主人は、自ら図面を描きながら要望を伝えたという。それを元に、建築士から提案をもらったプランを採用し、UA値0・25という高断熱住宅をつくり上げた。
「冬は宮﨑建築さんが得意とする床下エアコンを22~23度設定にして暖房しています。壁や床が温まるのでどこに行っても均一な暖かさ。寒い場所がないから、意外にも『暖かい』という感覚もないんですよ。春や秋の過ごしやすい時期が続いている感じですね」とご主人。「前はファンヒーターの前を取り合っていましたが、そういうことがなくなりました(笑)。外の気温が分からなくなり、うっかり薄着で外に出て、初めて外が寒いことに気づいたりします」(奥様)。
リビングの吹き抜けと階段で空気が循環するため、冬はもちろん夏のエアコンの冷気も行き渡りやすいという。「個室に冷気や暖気が流れるように、引き戸は開けていることが多いです」とご主人。
延床面積は30坪に満たないが、視線が抜け、光や空気が流れる住まいはゆとりを感じさせる。オークの床やAEP塗装の壁がつくる雰囲気も穏やかで心地いい。
DATA
延床面積/97.97m²(29.64坪)
1F 49.95m²(15.11坪)
2F 48.02m²(14.53坪)
家族構成/夫婦+子ども1人
竣工/2022年5月
構造/木造軸組工法
設計/高橋良彰建築研究所
宮崎建築事務所
www.miyazakikenchiku.com
阿賀野市下一分1421
TEL/0250-63-0235
営業時間/9時~18時
定休日/日曜日
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