※本記事はハウジングKomachi Vol.31(2020/12/25発行)の巻頭特集『住まいのニューノーマル』掲載記事です。
日々トレーニングにいそしむ1階、リラックスした時間を過ごす2階
新潟市郊外の集落の中にできた数区画の造成地。
そこからは、何キロも先まで遮るものがない田園風景が眺められる。
ご主人が育った地域でもあり、ずっとバスケットボールをしてきたご主人は、今はコーチとして、近くにある小学校で子どもたちにバスケットボールの指導をしているという。
「僕はその小学校の卒業生で、今は息子たちが通っています。学校に近く練習に行きやすいことが、この土地を選ぶ決め手になりました」
家づくりをする上でご主人が譲れなかったのが、インナーガレージとトレーニングルーム。
車2台を格納できる広いガレージは、雨や雪の日でも快適に車の乗り降りができる。
さらに、車を外に出せば大きな土間空間になるため、家族でバーベキューをするのにも重宝しているという。
トレーニングルームは、筋トレ以外にお子様たちとボールのハンドリングやドリブル練習をする場所として毎日活用。
「今年の春は新型コロナウイルスの影響で体育館が使えなくなってしまって。その時期は毎日ここで子どもとバスケの練習をしていましたね」とご主人。
トレーニングルームのおかげで、家に籠もりがちな時期もストレスを感じることなく乗り切れたという。
一方2階には、LDKから水回り、寝室や収納に至るまで、生活に必要な空間のほとんどがそろう。
階段室を中心にぐるりと回遊できる平面で、家の中をスムーズに行き来できるのもポイントだ。
そして、この2階で圧巻なのが、リビングや浴室から望める広大な田園の景色。
「春になって田んぼに水が張られると、目の前に湖が広がっているように見えるんです。四季の変化も強く感じられますね」と奥様。夏に近くの集落で上がる花火も見えるという。
「南西側に開いているので夕日が眺められるんですが、夕焼け空もすごくきれいですよ」(ご主人)。
リビングから広いテラスへと出られるが、そこからは大きな空を仰ぎ見ることができ、郊外ならではの開放感を存分に味わえる。
「夏は日差しが強いのでシェードで日よけして、子どもたちとプールで遊んでいましたね」とご主人。
S邸では、外へ出掛けなくても運動やバーベキュー、プール遊びなどさまざまな活動ができるゆとりがある。
そんな伸び伸びとした日常がかなえられるのは、延床面積60坪という広さがあるからこそだ。
どの部屋もすっきりした状態が保たれているが、それもS邸の特徴。
それは、キッチン奥のパントリーや、回遊動線上のウオークインクロゼットなど、使いやすい場所に配された収納の賜物。
「アパートで暮らしていた時は狭くて物があふれていたので、床に物を置かずに暮らしたくて。収納計画にもこだわりました」と奥様。
さまざまな活動を促す1階と、リラックスして過ごせる2階。
あらゆる目的に対応できる万能な家は、田園に向かい大らかに佇んでいる。
【DATA】
新潟市 S邸
延床面積/209.70m²(63.42坪)
1F 103.09m²(31.18坪)※ガレージ含む 2F 106.61m²(32.24坪)
家族構成/夫婦+子ども3人+母
竣工/2019年11月
構造/木造軸組工法
(取材時期:2020年秋)
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