※本記事はハウジングこまちVol.33(2021/12/25発行)『新潟の高断熱住宅』掲載記事です。断熱性能にこだわってつくり上げた住まいを紹介しています。
新潟市中央区緑町にあるモデルハウス。
UA値=0.43と、外皮性能が飛び抜けて高い家ではないが、ポイントはバランスの良さにある。
二人暮らしにちょうどいい延床面積26坪で、天井高は2.1~2.3mと低め。建物ボリュームが小さいため、冷暖房に必要なエネルギーが少なくて済む。
その家の中央をダクトが垂直に貫いており、小屋裏のエアコンから、夏は冷気が、冬は暖気が常時送り込まれている。
同時に、各室に設けられた排気口で引っ張られた空気は、空調室の熱交換型換気扇を経て熱損失を抑えながら排出される。
それにより、ダクトから送り込まれた空気も自然と各部屋へ流れ、家の隅々まで快適温度に保たれる設計だ。
その計画換気を実現するには気密性能が肝となるが、この家は引き違い窓を使わず、施工時の気密テープを徹底しており、家全体における隙間は名刺よりも小さい。
窓は樹脂サッシ+ペアガラス、断熱材はセルロースファイバー。
コストを掛け過ぎず、HEAT20のG1グレードという程よい断熱性能に仕上がった。
隣家が近いという理由もあるが、南面の窓を少なくすることで日射遮蔽もできている。
小さな家だが、2階リビングの外には緑地が広がり、開放感は申し分ない。眺めのいい土地で建物ボリュームを抑え、全館空調を構築する。
建築費と冷暖房費、そして居心地の良さ。あらゆるバランスが取れた快適な住まいの解がここにある。
【DATA】
延床面積/86.78m²(26.25坪) 1F 43.39m²(13.12坪) 2F 43.39m²(13.12坪)
竣工/2021年8月
構造/木造軸組工法
(取材時期:2021年秋)
家造/株式会社 加藤組
住所/
(本社)村上市久保多町7-3
(家造オフィス)新潟市北区木崎863-2
TEL/0120-918-085
営業時間/8時〜17時
定休日/水曜
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