※本記事はハウジングKomachi Vol.31(2020/12/25発行)の巻頭特集『住まいのニューノーマル』掲載記事です。
豊かな暮らしを実現したスイートホーム
カラリとした空気が心地いい秋の休日。青々とした芝が美しい庭に、Oさんご家族の笑顔が集う。
大きな軒に守られた広いウッドデッキと一体になったこの庭は、O邸の憩いの場。
ご両親を招いてバーベキューパーティーを開いたり、プールでお子様が水遊びを楽しんだり、タープを張ってくつろいだり…。
「のんびりと庭を眺めるとか、庭の手入れをするとか。休日を家で過ごすことが楽しみになりました」とご主人。
「庭だけでなく室内もそう。生活をもっと楽しみたいと思わせてくれる家なんです」と、奥様もこの家で暮らし始めてからの生活の変化をうれしそうに話してくれた。
O邸が立つのは、のどかな自然に恵まれた造成地。角田山を望む豊かな田園地帯の中にある。
奥様のご実家に近く、共働きのご夫婦にとってはご両親のサポートが受けられるメリットもあり、ここに決めたという。
設計・施工は奥様が以前から気に入っていた建築事務所に依頼。
「代表の方の自宅を見学させていただいたのですが、動線などもよく考えられていますし、何よりも遊び心があって。それがすてきなんです」(奥様)。
そのテイストは、O邸のプランにも取り入れてもらった。
植栽が彩るアプローチを通って玄関ドアを開けると、スイングドアが目に入る。
建築事務所の代表の自邸を参考にしたもので、シューズクロークを隠しながらも圧迫感がなく、開け閉めする動作がちょっと楽しい。
LDKには、ベンチにもなるステージのようなスペース。
空間に変化を与えると共に、観葉植物やオブジェなど、何かを飾ってみようと思う気持ちにさせてくれる。
「以前はスペースもなかったですし、何かを飾ろうなんて思いもしなかったんです。でも、この家で暮らしてから、いろいろ飾ってみたい、彩りを加えたいと思うようになりました」と奥様。
目を転じれば、掃き出し窓からウッドデッキ、庭へと視線は抜けていく。
この広がりのある開放感。「ここだけで一日過ごせます」。
奥様の言葉どおり、ソファやダイニングテーブルから庭を眺めれば、時間がゆったりと豊かに流れていくようだ。
高窓から明るい光が降り注ぐリビング階段は、お子様が帰宅した時、すぐに分かるようにと奥様が希望したもの。
階段を上がると、ホールにはピクチャーウインドーが設けられている。
窓の外には色づいた街路樹、その向こうには田園風景が広がり、一枚の絵が飾られているようだ。
ホールを単なる部屋を繋ぐスペースに終わらせないところが建築士のセンス、奥様の言う「遊び心」なのだろう。
空間が人に与える影響は決して少なくない。
「家にいるのが楽しい」「生活を楽しみたい家」とご夫婦が話すO邸は、在宅時間が長くなるだろうこれからの時代に、ひとつのカタチを示しているのではないだろうか。

落ち着いた色合いの壁紙で仕上げられた2階の主寝室。
【DATA】
新潟市 O邸
延床面積/120.34㎡(36.40坪)
1F 64.86m²(19.62坪) 2F 55.48m²(16.78坪)
家族構成/夫婦+子ども1人
竣工/2020年4月
構造/木造軸組工法
(取材時期:2020年秋)
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