夏真っ盛りですが、今日は薪ストーブのお話です。
冬の夜。パチパチと音を立てながら燃える薪。それを眺めながらストーブの前でお酒を飲む。炎が弱まったら新しい薪をくべ、また炎を眺める…。
そんな非日常的で穏やかな時間をもたらしてくれる薪ストーブに、多くの人が憧れたことがあるのではないでしょうか?
しかしながら家庭の暖房器具は、エアコンや温水ルームヒーター、灯油やガス式のファンヒーターなどが主流です。
それらはボタンひとつで快適な室温を保ってくれるとても便利なもので、私たちの暮らしに欠かせない存在になっています。
それに比べると、薪ストーブは夏の間に大量の薪を準備する必要があり、使用中に薪がなくなれば追加しなければならず、シーズンオフの時期には煙突掃除などのメンテナンスも発生する…という非常に手間の掛かる道具です。
しかし、そんな労を楽しめれば、都会と比べて薪の調達がしやすく、少し郊外に住めばゆとりある土地で薪小屋を設けられるのが新潟のよいところではないでしょうか?
燃料となる薪は、間伐材などを無料で調達できるケースも多く、冬の間の暖房費用を節約することもできます。
また、化石燃料と異なり、成長の過程で二酸化炭素を吸収してきた木を燃やす薪ストーブは、環境負荷が少ない暖房でもあります。
では、薪ストーブはどのように設置するものなのか、実例を見てみましょう。
1.洗濯物が乾きやすい吹き抜け計画
(阿賀野市H邸/株式会社 清新ハウス)
無垢の杉材をふんだんに使ったLDKに置かれているのは、レトロでモダンなドブレ社のヴィンテージ50。大きなガラス窓で、燃えたぎる炎がダイナミックに楽しめる薪ストーブです。階段脇の吹き抜けの下に置かれたストーブの煙突は、2階へと伸びています。それにより、2階に干した洗濯物がよく乾くというメリットもあります。
2.リビング内の土間は掃除も簡単
(柏崎市O邸/株式会社 オーゴシ建設)
こちらも杉の無垢フローリングが心地いい住まいですが、薪ストーブはリビング内に掘り込んだ土間に設置。木くずが出ても簡単に掃き掃除ができます。外には庇の付いたウッドデッキがあるので、薪の保管や運搬も簡単で合理的。 薪ストーブはダッチウエスト社のエンライト。
3.薪ストーブが迎えてくれる広い玄関
(新潟市I邸/株式会社 もみの木ハウス新潟)
ドアを開くと大きな吹き抜けの玄関が迎えてくれるお宅。その玄関土間に置かれた薪ストーブが家中を温めてくれます。ゆとりある土間は薪を置いておくのに最適で、掃除のしやすさも◎。薪ストーブは長野県のモキ製作所製。
4.コーナーからリビングとDKを暖める
(村上市I邸/株式会社 渋谷工務店)
LDKのコーナーに置かれている薪ストーブはアメリカのダッチウエスト社製。リビングからもダイニング・キッチンからも見える位置にあり、ここから輻射熱が広がっていきます。リビングの上部は吹き抜けになっているので、2階の窓を開けば個室へも暖気が流れ込みます。
5.畳に寝そべりながら炎を眺められる
(五泉市I邸/一級建築士事務所 Kー1工房)
薪ストーブを置く場所と言えば、土間かフローリングのリビングの一角か、と思いがちですが、こちらのお宅は和室に設置しています。もちろん薪ストーブの下はタイル張りで、畳との境界部分は板張りに。畳に寝転がりながら薪ストーブの炎を眺めるという、最高にリラックスした時間が堪能できそうです。薪ストーブはモキ製作所製。
薪ストーブと一口に言っても、その設置の自由度は意外にも高いことが分かります。また、スープを煮込んだり、焼き芋を作ったり、ピザを焼いたり…と、料理にも使えるのが薪ストーブの特徴。ただ家の中を暖めるだけではなく、日々の暮らしに楽しさや喜びをもたらしてくれる存在です。
ゆとりある土地を選び、薪ストーブのある暮らしを始めてみるのはいかがでしょうか?
実例引用元:「ハウジングこまちVol.24」(販売期間は2017年6月25日~12月22日頃)
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