食事はダイニングテーブルで、リビングでくつろぐ時はソファで…。
日本人の暮らしはいつの間にか西洋化し、お茶の間に家族が集うサザエさんのような風景は過去のものになりつつあります。
しかし、それでも畳にごろりと寝転がるひと時は、今もなお多くの日本人にとって至福の時間ではないでしょうか?
和室を一室設けるほどではない。だけど、ちょっと昼寝をするのに畳のスペースがあったらいいな…。そんなそこはかとなく湧き上がる願望を叶えてくれるのが、LDKの一角に設けられた小上がりです。
小上がりは3~4畳程度の広さが人気ですが、椅子生活を基本としつつも、ちょっとごろりとなれる絶妙なサイズ感と言えるでしょう。
フローリングよりも高い位置にあるため清潔感があり、腰を掛けるベンチにもなります。
お子様のおもちゃスペースにすればリビングが散らかることもありません。小上がりは実に多機能な空間なのです。
「ハウジングこまちVol30」に掲載された住まいの中から、小上がりのある家を4つピックアップしてご紹介します。
①桜並木を見渡す、4.5畳のゆったり小上がり
(新潟市K様邸/オーガニックスタジオ新潟株式会社)
吹き抜けから光が注ぐ明るい小上がりは、4.5畳とゆったりめの大きさです。ソファを置くスペースを設けない代わりに、この小上がりがリビングの役割を果たしています。
大きな木製の掃き出し窓の向こうに見えるのは公園の風景で、春には満開の桜並木を一望。家に居ながらお花見を満喫できるロケーションも魅力です。
ダイニング・キッチン+小上がりリビング。高さを変えることで生まれるメリハリが、空間に一層魅力をもたらしています。
ちなみに小上がり下は引き出し収納。お子様のおもちゃをすっきり片付けるのにも役立ちます。
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②お子様のお昼寝にうってつけ。3畳の小上がり
(新潟市I様邸/株式会社熊木建築事務所)
アカマツの無垢フローリングに、杉の柱。自然素材がたっぷり使われた空間には、やっぱり畳が似合います。
I様邸のLDKはL字型で、小上がりはリビングとダイニングの両方に隣接するコーナー部分に設けられています。
3畳の小上がりは、LDKにちょうどよく納まるサイズ感。キッチンからもよく見えるため、小さなお子様をお昼寝させておきながら夕食の支度ができます。家族や友人が集まった時に椅子が足りなくても、小上がりがベンチ代わりになるのもうれしいところ。
お子様が小さなうちは、そこに布団を敷いて寝室として使うのもよさそうです。
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③ゲストの寝室にも使える!引き戸で仕切れる小上がり
(新潟市K様邸/株式会社山崎建築事務所)
ロフトのような小さな2階があるK様邸は、ほぼ平屋のような住まいです。リビングは勾配天井で2階までが一体になる開放的な設計ですが、隣接する小上がりは、それとは対照的に籠もり感のある空間。
引き戸を閉めれば独立した小部屋になり、集中して作業をしたい時や、昼寝をしたい時に重宝します。ゲスト用の寝室として使うのもいいでしょう。収納スペースが付いているので、普段から寝室として使う場合も布団をサッと片付けることができます。
リビングからスムーズに寝床へと移動できる楽ちんな暮らし方も一つの贅沢と言えそうですね!
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④リビングと向かい合う、舞台のような小上がり
(聖籠町T様邸/株式会社パパまるハウス)
白を基調とした明るいインテリアが特徴のT様邸。LDKの一角にある3畳の小上がりはリビングと向かい合うように設けられており、普段はお子様たちのおもちゃスペースとして活用。子どもたちがそこで遊ぶ様子を、ソファに腰掛けながら眺めることができます。
このような小上がりは小さなステージにもなりますので、お子様が保育園や幼稚園、小学校で覚えた踊りや歌を家で発表するのにもよさそうです。
普段から家族の前で発表する習慣がつけば、人前で発表することを気後れせずに楽しめるようになるかもしれません!
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さまざまな事例を紹介してきましたが、ちょっとした小上がりは鳥にとっての止まり木のようなホッとする居場所になります。
小さなお子様がいる家庭では利用価値が特に高いですが、書道や生け花を趣味とする人にとっても便利な場所になるでしょうし、小さなちゃぶ台を置いて晩酌をするのもいいかもしれません。
もちろん、床の高さが変わることで、ワンフロアの広がり感が弱まるといデメリットもあります。
自分なら小上がりでどんな過ごし方をしたいか?想像を膨らませながら検討してみてはいかがでしょうか?
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