【Case1】
旧居の課題だった「暗さ」を解決し快適温度に包まれるUA値0・31の家
M邸が立っている場所は、南北両側に隣家が迫る住宅密集地。
「建て替え前の家は光がほとんど入らず、とても暗かったです。冬は隙間風で寒く、夏は暑い。部屋数が多いのに使いにくいのも悩みでした」(奥様)。
そんな課題を解決するため、HEAT20G2グレードを標準仕様とする設計事務所に建て替えを依頼したという。子育てを終えたMさんご夫婦が望んだのは、ワンフロアを広々と使える、明るく暖かい家。
その要望に対して建築士が提案したのは、隣家がある南北側の窓を極力少なくし、比較的開けている南西コーナーに3畳分の吹き抜けを設け、光を採り込むプランだった。
吹き抜けには軽やかな鉄骨階段が配され、コーナーから入った光は建物中ほどのリビングまで広がる厳しい土地条件でありながら「暗い家」という課題が見事に解決された。
水回りや収納をまとめた北側のバックヤードなど、合理的な生活動線もよく考えられている。
付加断熱仕様でUA値0・31の断熱性能を誇る住まいは快適性も高い。
玄関と階段の2カ所に設けられた吹き抜けにより、特別な全館空調システムを使わず、家じゅうに冷気暖気を行き渡らせられるのも特徴だ。
「夏は2階のエアコン1台だけを使っていましたが家じゅうが快適でした。電気代も安かったです」とご主人。
「ダイニングから空を眺めて過ごす時間が好きです。ずっとここに居たいと思う家ですね」(奥様)。
DATA
延床面積/98.54㎡
1F 60.45㎡
2F38.09㎡
家族構成/夫婦
竣工/2023年5月
構造/木造軸組工法
株式会社アジュールデザイン
www.azur-d.jp
糸魚川市平牛920-2
TEL/025-550-0117
営業時間/8時30分〜18時
定 休 日/土・日曜・祝日
【Case2】
外付けブラインドにパネルヒーター充実した設備でワンランク上の快適さに浸る
フリッツ・ハンセンのソファに、ルイスポールセンの照明。
タイムレスな家具や照明が配された空間に、外付けブラインドのスラットを通り抜けた光が降り注いでいる。
1階のところどころに見られる金属の格子はパネルヒーター。中に温水を通し、金属面から熱を放射させて家の中をじんわりと暖める仕組みだ。風も音も出さない暖房設備は、この穏やかなリビングによく似合う。
I邸のUA値は0・31でHEAT20のG2グレード。
壁は高性能グラスウール105㎜+硬質ウレタンフォーム40㎜のW断熱で、窓は全て樹脂サッシ+トリプルガラス。高い外皮性能と吹き抜けにより、夏も冬も家中を快適温度に保つことができる。
それに加え、日射遮蔽が丁寧に考えられている点も見逃せない。中でも注目すべきは、コーナー窓に取り付けられたドイツ製の外付けブラインド。4つに分かれたブラインドはそれぞれ独立した操作が可能で、日射を採り込むのも遮るのも自由自在。
「特に夏の直射日光を防ぐのに効果的です。他にも2階の窓にアウターシェードを付けたりと、日射遮蔽に気を使っています」とIさん。
他にも、ドイツ・スティーベル社の全熱交換型第1種換気システムを採用したり、快適性を高める設備選びに余念がない。心地よい温熱環境というベースの上に成り立つ上質な暮らし。
新潟の厳しい冬も、猛暑日が続く夏も、深い幸福感に浸ることができる。
DATA
延床面積/110.19m²(33.33坪)
1F 56.37m²(17.05坪)
2F 53.82m²(16.28坪)
家族構成/夫婦+子ども2人
竣工/2020年3月
構造/木造軸組工法
株式会社石山建築事務所
https://ishiyamakenchiku.com/
新発田市富塚町1-1-1
TEL 0254-26-2866
営業時間 8時30分〜17時
定 休 日 不定休
【Case3】
UA値0・23の外皮性能と日射コントロールで冷暖房負荷が少ない暮らし
間口に対して奥行方向に長い敷地に家を建てたHさん夫婦。
建物の間口は3間で、左右対称のファサードが特徴だ。
1階部分にはモダニズム建築を彷彿させる丸柱が等間隔で並んでおり、その上にはオーバーハングした広い木製デッキがある。
「実家が高気密高断熱住宅でしたので、家を建てるならHEAT20のG2以上にしたいと思っていました。オーガニックスタジオ新潟さんに決めたのは、断熱性能が高いことに加え、自然素材を使った家づくりに共感したからです」とご主人。
完成した家のUA値は0・23。HEAT20のG3基準をクリアしており、換気システムは熱交換率90%の第1種換気を採用している。
冬に日差しをたっぷりと採り込めるように、2階の南側と西側に大きな窓を設け、冬の暖房負荷を低減。
その分夏の西日が心配になりそうだが、西面の窓には外付け電動ブラインドを設置しており、リモコンのボタン一つで日射遮蔽ができる。
高い省エネ性能はもちろんのこと、空間の内外が一体に感じられる開放的な設計や、自然素材を使った上質感あふれる内装もH邸の魅力。
そこに選び抜かれた家具や照明が調和している。
また、広いベランダがバッファーゾーンとなり、外からの視線を気にせずに暮らせる。「夜になると照明で照らされた天井がとてもきれいですよ」と奥様。快適性と美しさ。
どちらも妥協しない住まいは、上質な空気感で満たされている。
DATA
延床面積/107.65m²(32.50坪)
1F 54.65m²(16.50坪)
2F 53.00m²(16.00坪)
家族構成/夫婦
竣工/2023年8月
構造/木造軸組工法
オーガニックスタジオ株式会社
www.organic-studio.jp
新潟市西区山田3077
TEL/025-201-6611
営業時間/9時〜18時
定 休 日/水曜
コメント