新築の住宅をイメージするときに、何もかもがピカピカした状態をイメージするかもしれません。ただ、住まいは買った瞬間にピカピカの絶頂感を感じさせて、その後どんどんと劣化して陳腐化していくのはちょっと残念…。多くの人が多額のローンを借り入れて数十年を掛けて返済をしていくものだからこそ、数十年後もお気に入りの家として付き合い続けたいですよね。今回訪問した熊木建築事務所さんの住宅は、そんな数十年後も陳腐化しない工夫が凝縮されています。
まず、デザイン。いま流行っているデザインではなく、どことなく懐かしさを感じさせるような意匠が取り入れられています。例えば伝統的な日本家屋と同様にかなり長めにとられた庇。「これだけ庇が長いと梅雨時でもサッシを開放できるんですよ。梅雨でも風が抜ければそれほどジメジメしないですよね」と代表の熊木英人さん。他にも、障子戸や格子など伝統的なモチーフがさりげなく配され、安らげる雰囲気がつくり出されています。
次に素材。流行の新しい素材を使うのではなく、ナラや杉、漆喰などの自然素材の組み合わせにより長きに渡って飽きが来ない空間が完成されています。光が当たった塗り壁には柔らかな陰影ができ、手作りならではの優しい表情を感じさせます。また、一部の天井仕上げやキッチンのカウンターにはラワン合板を利用。ダークブラウンの塗料で着色して組み合わせることで、比較的廉価な素材でも空間の雰囲気を高めてくれます。
「家づくりは人生の目的ではなく、家族がもっと幸せに暮らすための手段であるべき」と掲げる、熊木建築事務所さんのコンセプトが凝縮されたこちらの住宅。オープンハウス開催は12月23日までですが、実はこちらは代表の熊木さんのご自宅として建てられた住まい。オープンハウス開催後も、希望すればご案内してもらえるとか…?
また、熊木建築事務所さんが手掛ける住宅は、どれも一貫した熊木建築カラーがしっかり感じられるものばかりです。何はともあれ、百聞は一見にしかず。興味のある方は熊木建築事務所さんのHPで次回の見学会情報をチェックしてみては?
関連HP:
熊木建築事務所「街並みと共に時を重ねていく住まい」(新潟市江南区東本町)
http://www.kumaki.net/case_study/201412_niigata/
熊木建築事務所
(ハウジングこまち編集部 鈴木)
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