住宅について考えるときに、既にある大量の住宅ストックをどのように活用していくか?というのは、今後ますます重要になる社会的な課題の一つです。しかし、なかなか中古住宅はクセがあるものが多く、生活者側も住宅会社側も躊躇してしまうケースが多いというのも事実。まだまだリノベーションという考え方も、新潟では発展途上です。しかし、先日見せて頂いたリノベーション住宅は、まさに中古住宅のクセを全面に受け止めて、そのユニークさを最大限に活用し素敵な空間に変えていました。
西蒲区の海辺にほど近い集落の一軒家ですが、なんと築140年の建物です。約50坪の平屋で、日当たり良好、通風最高!古い日本家屋の良さがしっかり備わっています。庭が広々としているので、窓やカーテンを開け放っていても、全然気にならなそうです。新潟市中心部から車でわずか30分で行ける所にこのような場所があることが、都会にはない新潟で暮らすことの大きな魅力かもしれませんね。
広々としたリビングは元々は畳敷きの続き間だったところですが、建具を取り払い、部屋を繋げ、縁側だったところも一体としています。そのため、非常に明るいです。風の通りも抜群ですね。畳敷きだった床は無垢フローリングに張り替え、壁は白いペンキを塗った板張りに。この板を造作のキッチンにも使うことで、コストを抑えながら大きめのキッチンを実現しているそうです。コストを抑えているのに安っぽく見えない。それどころか、すごくリラックスできる心地いい空間が実現されています。傷だらけの柱もまたいい雰囲気を醸し出しています。
ただ、古い家が持つデメリットもあります。それは気密断熱性能の低さ。これは冬の寒さが厳しい新潟では致命的です。しかし、この家は床下から壁まで徹底的に断熱改修が施されていますので、夏は涼しく、そして冬は暖かく過ごせることでしょう。古い住宅のクセを生かすことで、魅力的な新しいライフスタイルが生まれる。空き家に新しく人が住むことで、集落に活気がもたらされる。まさにこちらのリノベーション住宅は、増え続ける空き家問題を解決する魅力的なモデルケースと言えそうです!
ちなみにこちらの住宅リノベーションを手がけられたのは、アサヒアレックス新潟さん。下記のブログでこの建物の改修過程も詳しくご覧頂けます。
(ハウジングこまち編集部 鈴木)
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