訪れた人が豊かなライフスタイルを感じ、暮らしを考える場所
新潟市の物流の拠点である、西区流通センター。県内外の企業のビルや倉庫が集まるこのエリアの一角に、これまで新潟になかったタイプのインテリア&リフォームのショールームが5月30日にオープンしました。
こちらのショールームは「REFORM & INTERIOR act」。店舗デザインは香港資本の5つ星ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」などの空間デザインで知られる橋本夕紀夫氏によるもの。2階建ての館内を彩るのは、日本製の家具や照明、インテリア雑貨で、どれも海外で高い評価を受けている選りすぐりのものばかりです。
こちらのショールームを運営する株式会社頸城建工の代表取締役・福田孝則さんは「ここはインテリアショップでもリフォーム店でもありません。上質なライフスタイルを提案することで、訪れたゲストの方それぞれの理想的な暮らしのイメージを引き出すことを目的としています」と話します。
では、福田さんが考える「ライフスタイル」や「暮らし」とは一体どのようなことを意味しているのでしょうか?
コンセプトは「NEUTRAL AND INDIVIDUAL」
住宅リフォーム事業で県内大手である同社は、「家の中に花を1本飾ること」もリフォームの一つと定義しています。ハードである建物を造り替えることだけでなく、暮らしを楽しむために小さな変化を起こすこともリフォーム。見方を変えると、住宅リフォームは手段の一つであり、それ以上に大切なのは自分にとっての美意識や価値観を持っていること、と理解することができそうです。
ショールーム「REFORM & INTERIOR act」に込められたコンセプトは「NEUTRAL AND INDIVIDUAL(誰でも受け入れられるようなニュートラルな存在でありながらも、個々の独自性を作り出せるような環境)」。何かを決めつけて提案するのではなく、ゲストがその価値を自由に感じられるように。そんな思いが込められています。それゆえに、空間も建築が主張するのではなく、そこに入るモノそれぞれの個性が生きるようなニュートラルなデザインとなっています。
同社が大切にしている「ライフスタイル」には、例えば飲み物を飲むとき、使うグラスによって全く違う気分をもたらすような繊細な感覚が含まれています。日常の小さなことの積み重ねや集合が暮らしの総体である、と言うと少し大げさかもしれませんが、「上質なライフスタイル」とは単に洗練されたデザインを取り入れることではなく、精神的な満足感や感動を伴うことを意味しているように思います。
海外で高い評価を受ける日本製プロダクトの数々
ショールームで取り扱っている製品は、大部分が日本製であると言います。そして、それらは日本各地に伝わっている伝統技術を生かしたものばかり。「ロンドンやパリ、フランクフルトなどの見本市で世界各国の家具や雑貨を見てきましたが、それらの場所でも特に高い評価を受けており、いいと思う製品は日本製のものばかりだった」と福田さん。大量生産されるコモディティ化した商品とは異なり、一つ一つがその地域性や職人のストーリーを背負うハンドメイドの工芸品。そこに現代的なデザインが施されることで、職人が生み出す価値を、グローバルに受け入れられる製品へと変換した品々が並びます。素材や質感、模様やフォルム、それぞれが固有の意味を持つ製品が、日常の一瞬一瞬にも特別感をもたらしてくれる。そんな力を持った製品がセレクトされています。
ゲストに心地よい時間を提供するさまざまな仕掛け
リフォームを通して、ゲストに感動レベルのおもてなしを提供することを重視する頸城建工。そのホスピタリティはこのショールームにも現れています。館内の所々に設置されたスピーカーから流れる穏やかな音楽や、2階に並べられたフレグランス、心地よい緑や光が彩るテラス、温かく親しみやすい接客など、ゲストの緊張をほぐしリラックスさせる演出が隅々にまで施されています。
暮らしを大きく改善したいと考えるときに、住宅購入やリフォーム、引っ越しなどに目が行きがちですが、そもそも自分が「どんなモノやコトに心地良さを感じ、心が動かされるのか?」に向き合うことも重要であると思います。言葉や数値では表しにくい繊細な感覚を、このショールームは体験を通して感じさせてくれます。
ハウジングこまち編集部 鈴木亮平
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